冬の空間は、素材で整える

冬になると、部屋の中の静けさが増していくように感じます。
窓の外の景色は色を失い、光はやわらかく、時間の流れも少しゆっくりになる。
そんな季節だからこそ、家の中で目に入るものや、手に触れるものが、いつも以上に気になるのかもしれません。

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冬の空間づくりを考えるとき、まず思い浮かぶのは「何を足すか」ではなく、「何を選ぶか」ということです。
色や形を増やさなくても、素材を変えるだけで、部屋の印象は十分に変わります。

たとえば、いつものソファ。
夏の軽やかなリネンから、少し厚みのある生地のクッションカバーに替えるだけで、座ったときの感触や、視線の落ち着き方が変わります。
織りが詰まった生地は、光を強く反射せず、冬の穏やかな明るさを受け止めてくれます。生成りやベージュ、深みのあるグレイなどの色は、主張しすぎることなく、空間を静かにまとめてくれます。


写真で使用しているクッションカバーはこちら

ソファに掛けたブランケットも、冬ならではの存在です。
きちんと畳まず、軽く掛けるだけでも、布の重なりが生まれ、部屋に奥行きが加わります。
ウール混や厚手のリネンは、触れたときの安心感だけでなく、視覚的にも冬らしい落ち着きを与えてくれます。


写真で使用しているブランケットはこちら

冬のインテリアは、変化を大きくする必要はありません。
クッションをひとつ替える、ブランケットを一枚加える。
その小さな選択が、暮らしの空気を整えていきます。

何かを飾るよりも、素材に目を向ける。
色を足すよりも、質感を選ぶ。
冬の空間は、そんな静かな判断の積み重ねで、少しずつ整っていくのだと思います。

寒い季節が続くあいだ、家の中で過ごす時間は長くなります。
だからこそ、目に映る布や、手に触れる素材が、心地よくあることは大切なこと。
今年の冬は、素材を軸に、空間を見直してみてはいかがでしょうか。
お気に入りの一枚が、冬の暮らしの風景を、きっと穏やかに変えてくれます。